練習のありかた
2003年2月01日(土)
首都高速4号線を走って、中央高速へ、目の前に雪で白くなった富士山が見える。
ランドについたら、むこうから「相川さんですか」と声をかけてきた、人がいて(このごろに限らず、次第に年をとってくると、声をかけられても、その人がどなたであったか、わからない場合が多い)のだが、彼の場合はすぐわかった、かれこれ10年ぐらい前は、いっしょに、埼玉の和光で子供たちを教えていた、慶応OBの中田君であった。
最後に聴いた話しでは、どこかで井戸を掘っているということで、よくのみこめない話しであったが、日曜日に子供たちの相手をして、自分が車で、桜台のあたりまで送って行く、というようなパターンであった。
ごぶさたしています、というところは省略、
「なんで、ここにいるの?」と聞いたら、「今、自分が少し面倒みているベイ・エリア何々というユースが、きょう、Verdyとゲームをやるので」というので、詮索ではないが、「はてまたその、いわれは?」というような話しから、結局、東京ガスの渡辺氏(これも慶応だ)がらみでということで、そういえば昔からの「筋」であったことを,思い出した。
ベイ・エリアは渡辺氏が作った、クラブである。
このチームとも1―2度、FC杉並を連れて、ゲームをしに、江東区新砂にある下水道局砂町処理場の人工芝グラウンドへ行ったことがある。サッカーに無関係なことをいうが、この場所には一度行かれたほうがよい、巨大都市東京が持つ、無数のシステムということに思いがかならず行く場所だからである。
1月31日(金)にFC杉並は練習して(その練習自体は、夕方1800からであるし、翌日1100から、80分ゲームだから)ただの調整、コーチまかせにした。問題は、そこで翌日の対FC東京のゲームに来られる者をチェックしたら、12名であることがわかった。
その12名のうち、いわゆるBチーム選手が5名である。
選手には、ふたけた失点したら、チーム解散と言い渡しておいた。
グラウンドはまたまた、霜どけで、最悪である。
10分でまず0―1である、原因キーパーがポジション取り,ミス、さらにいえば、その前にこちらの守備ラインが、ふなれな者同士で構成されているので、最初に縦にはいってくる相手トップへのボールにチャレンジできない、だからかならず、相手のトップに(トップ→FC東京の場合は、ひたすらタッチに開いている味方にパス、そこから、ゴール前にロング・クロス)というボールの動きをつくられてしまって、同じようにボールを走らされて、キーパーもずどんと打たれて、という失点をして0―2である。
ところが、前半のうちに、やっと足指骨折が癒えた、例の期待される選手がゴール前で、相手キーパーまでかわして1―2。
ハーフタイムに、守備のやりかたをコマンド、3-5-2のかたちを徹底させた。
後半、こちらの左ストッパーがあがって、いったら、相手がひっかけて、PK、2―2、さらに数分後、こちらのセンターフォワードが、左からシュート3-2、ただ少し時間が早過ぎた。まだその3―2の時点で30分もある。
プライドを傷つけられたFC東京は、はやめはやめでクロスだけという攻撃にきりかえて結果からいえば、あと5分のところで、左からループクロス3―3、最後はオフサイドをずっととれなかった、ラインズマンがまた不可解な判定で、3-4とひっくりかえされた。
が、ゲームとしては、これ以上はできないだろうというゲームはさせた。
実は第2キーパーは長身であるのだが、前日,自分が練習させていて、なんとはなしのハイ・ボールを投げてキャッチ、着地したら、「パキン」と音をたてて、靭帯がはじけた。
もし、そいつがいれば、FC東京がクロス攻撃を開始しだしたときに、「交代であった」と反省、だが、現実は交代策もなにも、できないということで、さばさばしたものである、すぐにまた稲城大橋を渡って、世田谷、松原にひきかえした、1400から日本学園の練習である。
学校のそばの蕎麦やで昼食をとって、練習開始。
まずアップ、ストレッチとか準備体操は「自分でやっておく」ということになっている。
この日のアップの種目は5対2のパスまわしを選んだ、別に根拠はない。
オフトが「最後は、例の、ドーハの悲劇(というのはおおげさだね、最後に勤めた企業で、上級マネージャーにサッカーの話しをしていたとき、やはりそこでTragedy,悲劇という言葉を使ったら、いかにも「あのねーと言う感じで」そんなことにこのTragedyなんて英語を使わないぜといわれかたをされたが,そういうことも貴重だ、それはともかく)でおわった、代表準備の最初の日に、Verdyでたまたま自分は見ていたわけだが、いきなり4対1を北沢だ、三浦だラモスらにやらせていたのを目撃している。
オフトはしきりと、ステップを使えということをいうのだが、またそれは正しくもある。
自分はどちらかというと、仮にステップを強調するなら、1分とか2分の、短い時間管理をするが、長い時間を当てる場合は、ステップはほとんど見ない、それよりも強調をフェイントとか、ボールのあつかいかたとか(タッチ)に置く。
選手への説明:5対2やらその他のボールまわしが「うまい」ということが「ゲームもうまい」というところにはむすびつかない。やたらに「うまい」のだがゲームで単純にやればよいところを、やらないで、こねまわす、やつを「サーカスマン」といって「サッカーマン」とはちがうということはすでに知っているとおりだ、ただ、こちらが「こねろ」「次から次へとからだをひねれ、足を踏み続けろ、相手をだませ」ということをコマンドするのだから、そういうときは、「それを、やれ」である。ゲームが「うまい選手」で、ボールまわしになると,不器用という選手をあまり「知らない」ともした。
サッカーは逆取りゲームである、だから、「自分はどうしてゲームで通用しないのだろう」と,悩んでいる選手のすべての原因がそうだとはいわないが、その選手が相手を微妙にだませない、場合が多い。小学生や,中学生に「だから」フエイントを強調すると、いつのまにか「もちすぎ、こねすぎ」ということになっていく
それはいわば「行きすぎ」だから「もどさなければならない」またそのもどしかたも理解している。
で、もどせたとして、コーチは選手をフェイント、という点では「どこへつれていきたいのだろうか?」それは、こうだろう。
最後のゴールにむすびつくフェイントが「グッド」だろう、それだけだ。
さてそういうことはさておき、5対2をアップにもちる場合も、いろいろなルールを、そこに、持ちこむと、選手は微妙に、日によって、異なった、基本に挑戦することになる。
この日は、スルーパス,連続2本ということを言った。ねらいとしては、とことん選手がスルーパスを出すという意識の流れのなかに「いれば、よい」というだけである。
この2本めのスルーパスはむずかしい、だが選手を見ていればわかるが、その程度の難題に、熱中していく。選手が使うフェイント、ステップ、足首のつかい方、全部がゲームで使えるわけではない、だからゲームで必要なこと、もまたそういう練習を行う、サッカーは逆取りゲームという、ところに、こだわるからである。
ついでにいえば、バックはボールに触ったりとか、クリヤーで交代はさせない。
キープしたら、交代というルールをいれると、けっこうきついコンタクトをしている。
グループ戦術やシステム構築で、「ターンオーバー」ということを教えていくのでなく、個人のスキル(ボールを取りにいき、タックルでボールがどこへいこうが、かまないというのでなく、できれば、相手からボールをとって、自分のものにしてしまう、)に、もどる、ということがとくに少年の時期では大事ではないか。
いろいろな所に脱線はするものの、基本的に、この日記のなかで、練習のありかた、というものを、発言して見たいわけで、そういう意味で、ここまで
□ プレスはずし→ラインくずし
□ (高いところでの)プレス→そこからの速攻
→プレスが失敗したら、どういう守備をするのか
□ ベーシック(どういうサッカーをやりたいのかはべつに、あきらかにサッカーで必要な)スキル、そのなかに、5対2やら3対1をいれてある。基本的には、(ほかにもある)ベーシックスキルを、いくらくりかえしても、それだけではゲームで使えるか、どうか、理屈としては、よくわからない部分がある、練習である。
こういうことを話した。
2003年2月02日(日)
「展開のために」「サイドチェンジ」を行う、そういう判断もまたそのための、キックスキルも大事だが、そうではなく、ひとつのサイドであれ、まんなかであれ、「パスを、はやく交換して、いかにも、その、かれこれ、20―25メーター幅の「ところ」からラインを崩す雰囲気を「相手に与える」それで、選手に安心させるために「そのまま、その瞬間、感じた、20―25メーター幅で、突破のパスを」「出しても、」当面は、コーチは怒らない「から」そこで、いってみればせまいところをこじあけるように、ただし良いことは、縦に縦にというねらいは統一できるわけで、最初からチェンジサイドやら、横パスを「試みる」ということに拒否反応をコーチのほうから,言っているわけだが、そうやって攻撃しろ、と、ただし、そこからさき「分裂」という「言葉」までもちだして、だれかが「このまま、縦をねらってよいのか,90%まで、縦にかたむいているとき残り10%で、サイドチェンジのパスを出すと、それはどういうことになるか、最初から展開のための、チェンジサイド「だと」ロングが仮に、通っても、結局は、相手のライン、やらラインにはいった相手のハーフが「ゆりもどしにくる」そうではなく、ある地域(20―25メーター)のところで、あたかも、そこを突破してやるぞというように、こちらがパス交換して、いきなり、「驚き」のサイドチェンジをだせれば、相手はどういうことになるか?こちらは、スピードにのって、そのパスを受けて、あとはシュートなりクロスなり、そのまま、パワーアタックをやればよい。
先週はそういう練習をやってきた。
どうやるかといえば、逆サイドで2対1やら、3対3を選手に2ゴールでやらせて、コーチがフラッグをもちいて,そのフラッグをあげたらうむをいわさず、コーチサイドに置いている、フリーの選手にパス(むろん、ハードロング)という練習である。
むろん、コーチはどういうタイミングでフラッグをあげるかといえば、その局地戦で少しは、ボールが縦に走って、そのあとに、フラッグをあげている。
それを、この日対創価戦にためした。
結果はすばらしかった。
この攻撃戦術、ライン崩しが有効であることが証明された、ただこれをどうやって精錬させるかということがある。
(この項終わり)